地球連邦国大統領(対策の予想効果3)P303

【環境破壊について】

 産業革命以降さまざまな環境破壊が繰り返されてきました。日本でも1970年代は公害による大気汚染や川の汚染がひどい状態でした。日本各地で公害による健康被害が発生して、多くの方が苦しまなければならない状態でした。都会の川にはゴミが堆積し、川の水はドス黒く悪臭が立ち込めており、とても生物が生きていける環境ではありませんでした。大都市近辺の海はヘドロが堆積して、こちらも生物が生息するには厳しい環境でした。大気も工場や自動車からの排気ガスで光化学スモッグが発生し、光化学スモッグの濃度が高い時には学校の校庭での遊びも禁止されていました。しかし、いまでは光化学スモッグ注意報やゴミで埋め尽くされた川は見ることもなくなりました。なぜ、このような公害はなくなったのでしょうか。なくなった原因は健康被害がでるほどの公害は国民のためにはならないので、国が排出物の規制をつくったことが大きく貢献していると考えます。有害物質をそのまま、大気中や川に排出することを規制する法律をつくりました。そのため、企業は有害物質を無害なものまで処理してからでないと大気や川に排出することができなくなりました。企業としては有害物質の処理にはお金がかかりますから本来はやりたくないはずですが、法律ができたため、やらざるを得なくなったのです。

 その後、時代は流れ企業の考え方もかわってきていました。今ではこの法律がなくなったらすぐにでも、有害物質を放出してやろうと思っている企業は少ないのではないでしょうか。企業は自主的に規制をしているように思えます。この変化はなぜでしょう。我々国民の意識の変化ではないでしょうか。たとえ良いものを作っていても環境に有害物質を排出している企業の製品は買いたくないと思う人が増えているのではないでしょうか。それを企業も認識しているのです。製品を売って高い利益をあげるだけなら、有害物質の処理をせずそのまま自然界の放出する方が、コストがかからず利益が得られるのはわかっていますが、それでは将来、企業の存続が危ぶまれること知っているからやらないのです。この考えは「すべては一体」という考えに近づいているといえるのではないでしょうか。有害物質を自然界に放出すればまわりまわって自分に返ってくることがわかっているのです。