地球連邦国大統領(新経済システム3)P403

【環境問題について】

 対策の予想効果の章でもこの環境問題を述べましたが、経済にも関係していますのでここでも環境問題について考えていきましょう。プラスチックは現代の生活には欠かせないとても便利な道具として全世界で使用されています。このプラスチックは人間が作り出したものであるために自然界で分解するにはかなりの年月が必要となります。自然の形に戻すには人間の力が必要となります。このプラスチックが人間の力が及ばない自然界に流出すると地球上に長期間残ることになります。作ったプラスチックはリサイクルに回されますが、リサイクルに回されずに不法投棄やポイ捨てなどで容易に自然界に流出しています。このままプラスチックを作り続けるとどうなるでしょうか。どんどん自然界にプラスチック蓄積していくことは容易に想像できます。このプラスチックの蓄積により様々な問題が浮き彫りになってきています。この解決策として紙や麻や絹のように天然物を原料に作られたものは自然界に流出しても比較的短時間で分解されます。天然物由来物質でプラスチックを製造することが必要となるでしょう。しかし、水道や下水の配管や建材など使用する用途によっては自然界で分解されては困るものも多いのです。すべて自然界で分解すればよいという事ではないのです。分解しないプラスチックは目的を終えた後には、焼却することになります。石油を原料にしたプラスチックは焼却すると大気中の二酸化炭素濃度をあげることになりますので、地球温暖化を食い止めるのが目的ですので使えません。

 石油を原料としたプラスチックの削減は世界の経済を根本的に変革することになるでしょう。大幅な削減は経済への影響が大きすぎてすぐにはできません。徐々にやるしかないのですが、石油由来プラスチックの代替を考えておく必要があります。まずは原料を石油以外の植物由来の原料に変える方法を考え出さなければなりません。植物は大気中の二酸化炭素を吸収して利用するため、植物由来の原料で作ったプラスチックを焼却しても大気中の二酸化炭素の量が増えることはありません。まずは大気中の二酸化炭素の量を増やさないことが重要だと考えます。現在の科学では産業革命前の二酸化炭素濃度に戻すことは不可能です。できることは、二酸化炭素の大気中の濃度の上昇を抑えることだけです。