ラビリンスワールド 第1章 (その1) L101

2022年7月24日

SF小説のストーリーを思いついたので、今回からしばらくは小説を書いていこうと思います。もしよければお楽しみください。

ラビリンスワールド

第1章 ラビリンスワールドについて

 気が付けば、屋根が高く白い壁に囲まれた建築物の通路におり、後ろを振り返れば白いペンキを塗った複数の頑丈な金属の棒とガラスを組み合わせて作った回転ドアがあった。この回転ドアはいっぽう方向にしか回らず、中から外への出られない構造になっている。どうやらこの回転ドアから中に入ってきたようだったが、ここがどこで、この建物は何で、なぜここにいるのか全く分からなかった。外に出られないか、回転ドアをいろいろ調べてみたり、壁を登れないか試してみたが無理だということが分かった。どうやらこの入口からは外にでることはできないようだ。自分の格好に目を移してみた。服装は上下横しまのスウェット姿でお世辞にもかっこいいとは言えない服装だった。

 なぜ、ここにいるのだろう。自分に対するこれまでの記憶が全くなかった。しばらく思い出そうとしたが、ここがどこだかわからないし自分が誰だか分らなかった。仕方がないので、出口を探すために奥に進んでみることにした。少し進むと突き当りに案内所と書かれたドアがあった。中に入ってみるとスタッフらしき人が部屋の左手の方に向かって手を伸ばしていた。その手の先に視線を向けると壁の近くに案内所と書かれたカウンタ―があり、その前には複数のテーブルと椅子が置いてあった。そのテーブルとイスはプレーヤーが自由に使ってよいらしく、何人かのプレーヤーがくつろいでいた。テーブルと椅子の右側にはカプセルホテルと書かれた自動ドアがあった。スタッフに案内され案内所と書かれたカウンターに向かった。