ラビリンスワールド 第2章 (その2)  L202

 目を覚ますと目の前にダイキがいて

「今回は回復するのに時間がかかったな」と言ってきた。

「まだ、完全に回復していないような気がする」

「そうか。もう少し時間をあけるか」

ダイキの服装がさっきまでと違うことに気が付いた。

「あれ、さっきまでと服装が違うぞ」

「おお、気が付いたか。ファイトマネーが入ったのでお前が休息している間にいい防具に買い替えたんだ。この防具前から欲しかったんだ」

「その防具いくらしたんだ」

「300ゴールド」

「その300ゴールドって、俺に勝ったファイトマネーじゃないか」

「そうだよ。そのためにお前を試合に誘ったんじゃないか。お前も30ゴールド入ってよかっただろ」と言ってきたが俺はなんか腹が立った。

「負けてばっかりで面白くない。もっと楽にゴールドを稼げる方法はないのか」とダイキに尋ねた。

「ないことはないが、あまりお勧めはしないな」

「いいから、もったいぶってないで教えろよ」

「しょうがないな。じゃあついてこい」

そういって格闘技場を後にした。そうしてダイキにつれてこられたところはカジノだった。

「ここなら大金を手にすることも可能だぜ。ただし、所持金が減ることもあるので気をつけな。大金を手に入れることができるのはほんの一部の人だけだ。俺も詳しくはないんだが、貧乏人ができるのは、入口近くにあるスロット、ルーレット、格闘技場ぐらいだな」

「格闘技場ってなんだ」と俺はダイキに聞いた。

「さっきいた格闘技場の試合を生中継していて、勝と思う方に賭けることができるんだよ。スロットとルーレットは1ゴールドからかけられるが、格闘技場は10ゴールドからしかかけることができない。また、自分の出る試合には賭けることができない。八百長防止のためだ。スマホで今日の試合結果や次の試合の倍率(オッズ)も確認できるぜ。さっきの俺らの試合は勝負として成り立ってないな。俺のオッズが1以下ってことだな。」と説明してくれたが、よくわからなかったので

「どういう意味だ。説明してくれよ」と俺はダイキに聞いた

「ショウに賭ける奴が少なすぎるってことだよ。あまりにも片方に賭けが集中しすぎると賭けが成立しなくなるのさ。俺らみたいな弱い者どうしの試合にはあまり興味がないから、賭ける奴が少なすぎるのも原因の一つかな」

「俺らって、ダイキも弱いのか」とダイキに聞いてみた。

「そうだよ、お前よりは強いが、お前以外にあんまり勝ってないよ」

「俺らが今できる賭け事は一通り説明したぜ。それじゃあ俺は格闘技場に戻って格対戦相手を探しに行ってくるぜ」とダイキは続けた。

「ギャンブルはやらないのか」

「さんざん痛い目に合ってきたからな。格闘技場で稼ぐ方が俺の性分にあってるんだよ」

「そうか」

「ほどほどにしとけよ。幸運を祈る。じゃあな」

 そういって、ダイキは格闘技場に戻っていった。俺はまず初めにスロットからやってみることにしたがほとんど増えなかったのでルーレットをやってみた。30ゴールド持っていたお金が45ゴールドになったので格闘技でギャンブルを行ってみようと思った。

賭ける試合を探していたらダイキの試合があったので見てみた。

レイラ対ダイキ オッズ レイラ1.3 ダイキ2

ってことはダイキに賭ければ、倍になるってことか。俺はダイキに秒で負けたし、俺を倒したファイトマネーでいい防具を買ってたし相当強いぞ。それに、レイラって女だしな。ダイキが女に負けるはずないよ。よーし、これはチャンスだ。思い切って20ゴールド賭けるぞ。試合が始まってダイキは相手に少しのダメージを負わせたもののすぐに負けてしまった。

「レイラつよい」と思わず声を出していた。

ショウは持ち金が25ゴールドになってしまった。

「よーし取り返すぞ!どうしたら勝てるんだよく考えろ、よし、今日の試合の勝敗を見て勉強しよう」ショウは今日の試合の勝ち負けをスマホで確認してみた。その結果、一つの共通点を見つけた。その共通点は負けた人の多くは俺を含め、横しまの服を着ているという点だった。逆にいえば、横しまの服を着ている人が勝っている試合は今日の試合ではなかった。

 そうか、この横しまの服は最初にラビリンスワールドに来た時に来ている服で、『私は新入りです』って言っているようなものだ。だから、いろんな人から格闘技場で勝負しようと声をかけられたんだ。横しまの服を着た人の試合があるかを見てみたところ、5分後に試合があることが分かった。横しまの服を着ている人はハルキ、対戦相手はコウキだった。コウキ1.2 ハルキ2.2だった。

よし。コウキに10ゴールド賭けよう。コウキに10ゴールド賭けた。結果、ハルキは善戦したものの惜しくも敗れ、コウキが勝った。ショウは12ゴールドを手に入れ27ゴールドとなった。これで味を占めて横しまの服を着ている人が参加する試合を探した。しばらく、横しまの服を着た人の試合はなかったが、スネークという横しまの服を着た人がエントリーしているのを見つけた。対戦相手がまだ決定していなかった。

この対戦相手に賭けようと考えていた。30分後ようやくスネークの対戦相手が決まり、オッズがでた。スネーク対ゴメス ゴメスはいかにも強そうだった。ゴメスのオッズは1.4 スネークのオッズは1.7だった。

賭けられるだけ賭けようと思い、20ゴールドをゴメスに賭けることにした。

試合が始まったとたん試合を映し出すモニターの周りには多くの人が集まってきた。見物人たちは各々かけている方を応援していた。しかし、俺の予想に反してあっさりとゴメスは負けてしまった。

見物客A「あーあ。やっぱりスネークはつよいな」

見物客B「そうだな。ゴメスなら倒せると思ったんだけど」

見物客A「でも、スネークはずるいよな。あの服きてたら、弱いんじゃないかって思っちゃうよな。」

見物客B「それが、あいつの作戦じゃないか」

見物客A「でも、強いんだよな」

そうだったのか。俺もまんまと騙された。とうとう俺は7ゴールドしかなくなってしまった。ちょうど目の前にカフェがあったので、気分転換にでもとコーヒーを飲むこととした。レジで会計を済ませ、コーヒーを受け取りカウンター席に戻って今後のお金の稼ぎ方を考えることにした。