ラビリンスワールド 第2章 (まとめ) L203
【第二章:生活の始まり】
「じゃまだどけ」と道の方に押し出された。
怒号と女性の悲鳴が響き渡り、店員の静止する声もあいまってすごい音量で周囲に響き渡っていた。人の列が店の中に入り少しは静かになったが店の中からは人々が言い争う声が依然聞こえていた。そこまでしてほしいものなのかと思った。
待ち合わせ時間が近くなってきたので、格闘技場に向かうことにした。格闘技場の近くで見知らぬ人から対戦をしつこく申し込まれたが、今から別の人と対戦する予定だと言って振り切った。待ち合わせ時刻より少し早めについたが、ダイキはすでに来ていた。
「本当に来てくれたか。ありがとよ」
「昨日はかなりのダメージを受けて、回復するのに時間がかかったので起きたのはついさっきだ」とダイキは言った。
「結構回復するのに時間がかかったな」とダイキは言った。
「ダメージが大きければ、回復に時間がかかるんだ。ショウはまだライフが少ないからゼロになっても回復にはあまり時間がかからないよ」とダイキはつづけた。
「そうなのか」
「よし。早速始めるか。格闘のやり方を説明するぞ。まずは受付に行ってエントリーするんだ。身分証明のためにスマホが必要だぞ」
エントリーするために受付に向かった。
「格闘をご希望ですか」と受付が聞いてきた。
「はい」とダイキは答えた。
「対戦相手はお決まりですか。お決まりでない場合はエントリーされているかたから、レベルの近い相手を紹介いたしますが」とダイキに聞いてきたので
「対戦相手は決まっています。ここにいるショウです」と答えた。
「承知いたしました。それではダイキ様、ショウ様の身分証明書をご提示ください」
二人はスマホの身分証明書を受付に提示した。受付は機械で読み取って格闘のエントリー作業を行っていた。
「受付が完了いたしました。17番リングでお願いいたします。」
「ありがとう」とダイキは答えた
「17番リングだって、いくぞ」
そういってダイキは歩き出した。俺はダイキの後をついていった。
「ここだ」
17番と書いてあり白い枠で地面に描かれた場所を指さして言った。
「え、ここ? ただの白い枠がかいてあるだけじゃないか」と俺は言った。
「いいから、早く準備をしろ」
「準備?」俺は何を準備していいかわからなかった。
「武器を持ったり、装備を装着したりするんだが初めに着ていた横しまの服を着ているぐらいだから装備なんて持ってないよな。それじゃあ武器を持つだけだな。初めてだからしょうがないさ」と説明してくれた。
俺は4次元ウエストポーチから木の棒を取り出した。
ダイキ「よし。それでは始めるぞ。ルールは簡単。どちらかがノックアウトされるまで続けるんだ」
「その前に近くにいる見届け人に試合をすることを伝える必要がある。見届け人が試合結果を格闘技場の管理システムに送ってくれる。そうすると自動的にファイトマネーと経験値が振り込まれる仕組みになっている。ファイトマネーや経験値は敗者にも振り込まれるから安心しろ」
「見届け人さん、今から試合を開始します」と見届け人に向かってダイキは言った。
「よし、試合開始!」と力強く見届け人は試合開始を宣言した。
「行くぞ」とダイキが言ったので、俺も木の棒を振りかざしてダイキを殴りに行ったが、簡単に交わされダイキの剣の一突きで倒れた。
「試合終了。勝者ダイキ」と高らかに見届け人は宣言した。
あっさり負けてしまった。体がだるくて思うように動かせない。かなりダメージがあるようだ。
「しっかりしろ。そこのベンチで休むんだ」とダイキは言った。
俺はダイキに抱えられてベンチに倒れこんだ。倒れこんだところまでは覚えているが、すぐに気を失った。しばらく時間がたちダイキが話しかけてきた。
「おい、しっかりしろ」ダイキの声で、俺は目を覚ました。先ほどのダメージは嘘のようになくなっていた。
「すっかり良くなったが、やられた時のダメージは相当大きいな」と返事をした
「大きいと思うかもしれないが、ショウが休息していた時間は1時間もたってないぞ」
「そうなのか」と俺は聞き返した
「スマホ見てみろよ。ファイトマネーと経験値が入っているぞ。」と言ってくれたので、俺はスマホを確認した。ゴールドが0から10に増えていた。それと経験値のバーが少し増えていたが次のレベルにははるかに及ばなかった。
「どうだ。楽しいか」にやにやしながらダイキは聞いてきた。
「楽しいわけないだろ。こっちは一発で負けたんだぞ」
「最初から勝てる奴なんていないよ。俺なんて初戦から13連敗だったぞ。」
「強くなりたかったら、試合に出つづけることだな。試合に出てファイトマネーを稼いで、いい武器や防具を買って強くなるのが一番の近道だ」
「それじゃあ、次の試合のエントリーをしに行くぞ」
「え、もう行くのか」
「たくさん、試合をしなければならないから時間がないんだよ」となかば強引に受付に連れていかれた。受付につくとエントリーを行い、試合をしてまた秒殺された。気が付いたら、にやにやしながらダイキがのぞき込んでいた。
「よし、回復したな。もう大丈夫だろ、次行くぞ」とダイキが言ってきた。
また、受付に行ってエントリーを行い、試合をしてまたまた秒殺された。
【ラビリンスワールド 第2章 (その2) L202】
目を覚ますと目の前にダイキがいて
「今回は回復するのに時間がかかったな」と言ってきた。
「まだ、完全に回復していないような気がする」
「そうか。もう少し時間をあけるか」
ダイキの服装がさっきまでと違うことに気が付いた。
「あれ、さっきまでと服装が違うぞ」
「おお、気が付いたか。ファイトマネーが入ったのでお前が休息している間にいい防具に買い替えたんだ。この防具前から欲しかったんだ」
「その防具いくらしたんだ」
「300ゴールド」
「その300ゴールドって、俺に勝ったファイトマネーじゃないか」
「そうだよ。そのためにお前を試合に誘ったんじゃないか。お前も30ゴールド入ってよかっただろ」と言ってきたが俺はなんか腹が立った。
「負けてばっかりで面白くない。もっと楽にゴールドを稼げる方法はないのか」とダイキに尋ねた。
「ないことはないが、あまりお勧めはしないな」
「いいから、もったいぶってないで教えろよ」
「しょうがないな。じゃあついてこい」
そういって格闘技場を後にした。そうしてダイキにつれてこられたところはカジノだった。
「ここなら大金を手にすることも可能だぜ。ただし、所持金が減ることもあるので気をつけな。大金を手に入れることができるのはほんの一部の人だけだ。俺も詳しくはないんだが、貧乏人ができるのは、入口近くにあるスロット、ルーレット、格闘技場ぐらいだな」
「格闘技場ってなんだ」と俺はダイキに聞いた。
「さっきいた格闘技場の試合を生中継していて、勝と思う方に賭けることができるんだよ。スロットとルーレットは1ゴールドからかけられるが、格闘技場は10ゴールドからしかかけることができない。また、自分の出る試合には賭けることができない。八百長防止のためだ。スマホで今日の試合結果や次の試合の倍率(オッズ)も確認できるぜ。さっきの俺らの試合は勝負として成り立ってないな。俺のオッズが1以下ってことだな。」と説明してくれたが、よくわからなかったので
「どういう意味だ。説明してくれよ」と俺はダイキに聞いた
「ショウに賭ける奴が少なすぎるってことだよ。あまりにも片方に賭けが集中しすぎると賭けが成立しなくなるのさ。俺らみたいな弱い者どうしの試合にはあまり興味がないから、賭ける奴が少なすぎるのも原因の一つかな」
「俺らって、ダイキも弱いのか」とダイキに聞いてみた。
「そうだよ、お前よりは強いが、お前以外にあんまり勝ってないよ」
「俺らが今できる賭け事は一通り説明したぜ。それじゃあ俺は格闘技場に戻って格対戦相手を探しに行ってくるぜ」とダイキは続けた。
「ギャンブルはやらないのか」
「さんざん痛い目に合ってきたからな。格闘技場で稼ぐ方が俺の性分にあってるんだよ」
「そうか」
「ほどほどにしとけよ。幸運を祈る。じゃあな」
そういって、ダイキは格闘技場に戻っていった。俺はまず初めにスロットからやってみることにしたがほとんど増えなかったのでルーレットをやってみた。30ゴールド持っていたお金が45ゴールドになったので格闘技でギャンブルを行ってみようと思った。
賭ける試合を探していたらダイキの試合があったので見てみた。
レイラ対ダイキ オッズ レイラ1.3 ダイキ2
ってことはダイキに賭ければ、倍になるってことか。俺はダイキに秒で負けたし、俺を倒したファイトマネーでいい防具を買ってたし相当強いぞ。それに、レイラって女だしな。ダイキが女に負けるはずないよ。よーし、これはチャンスだ。思い切って20ゴールド賭けるぞ。試合が始まってダイキは相手に少しのダメージを負わせたもののすぐに負けてしまった。
「レイラつよい」と思わず声を出していた。
ショウは持ち金が25ゴールドになってしまった。
「よーし取り返すぞ!どうしたら勝てるんだよく考えろ、よし、今日の試合の勝敗を見て勉強しよう」ショウは今日の試合の勝ち負けをスマホで確認してみた。その結果、一つの共通点を見つけた。その共通点は負けた人の多くは俺を含め、横しまの服を着ているという点だった。逆にいえば、横しまの服を着ている人が勝っている試合は今日の試合ではなかった。
そうか、この横しまの服は最初にラビリンスワールドに来た時に来ている服で、『私は新入りです』って言っているようなものだ。だから、いろんな人から格闘技場で勝負しようと声をかけられたんだ。横しまの服を着た人の試合があるかを見てみたところ、5分後に試合があることが分かった。横しまの服を着ている人はハルキ、対戦相手はコウキだった。コウキ1.2 ハルキ2.2だった。
よし。コウキに10ゴールド賭けよう。コウキに10ゴールド賭けた。結果、ハルキは善戦したものの惜しくも敗れ、コウキが勝った。ショウは12ゴールドを手に入れ27ゴールドとなった。これで味を占めて横しまの服を着ている人が参加する試合を探した。しばらく、横しまの服を着た人の試合はなかったが、スネークという横しまの服を着た人がエントリーしているのを見つけた。対戦相手がまだ決定していなかった。
この対戦相手に賭けようと考えていた。30分後ようやくスネークの対戦相手が決まり、オッズがでた。スネーク対ゴメス ゴメスはいかにも強そうだった。ゴメスのオッズは1.4 スネークのオッズは1.7だった。
賭けられるだけ賭けようと思い、20ゴールドをゴメスに賭けることにした。
試合が始まったとたん試合を映し出すモニターの周りには多くの人が集まってきた。見物人たちは各々かけている方を応援していた。しかし、俺の予想に反してあっさりとゴメスは負けてしまった。
見物客A「あーあ。やっぱりスネークはつよいな」
見物客B「そうだな。ゴメスなら倒せると思ったんだけど」
見物客A「でも、スネークはずるいよな。あの服きてたら、弱いんじゃないかって思っちゃうよな。」
見物客B「それが、あいつの作戦じゃないか」
見物客A「でも、強いんだよな」
そうだったのか。俺もまんまと騙された。とうとう俺は7ゴールドしかなくなってしまった。ちょうど目の前にカフェがあったので、気分転換にでもとコーヒーを飲むこととした。レジで会計を済ませ、コーヒーを受け取りカウンター席に戻って今後のお金の稼ぎ方を考えることにした。
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