人生の師(母)M002

 母の性格ですが母が亡くなった後、多くの母の知り合いからかけていただいた言葉は、「お母さまは大変活発でしたね」、「お母さまはとても明るい性格でしたね」、「お母さまからはいろいろ教えていただきました」でした。どれもとても母のことを言い表していると思いました。父が亡くなってから高齢者向けマンションに入居しており、そこの施設の入居者は無料で様々な設備を使用することができました。母はビリヤード、麻雀、卓球を多くの友人と楽しんでいました。また、歌うことが好きで複数の合唱団に参加していました。さらに、ボランティアも行っており、バザーに出す品物の作製や障碍者施設や老人ホームの慰問などを行っていました。あまりにも活発に活動していたので、電話してもなかなか捕まえることができないほどでした。また、健康面にも気を付けており、毎週女性専用のジムに通っていました。食品添加物などはとても気にして食材を選んでいました。また、高齢者向けマンションは食堂が利用できるのですが、食堂は利用せず、いつも自炊をしていました。その他にも、歩くことも好きでよく友人と小さな山に登っていました。私は母が風邪をひいたといっているのを聞いた記憶がありません。このことから80歳とは思えないほど非常に活発な人だったことがわかると思います。

 母はとても性格が明るく、私に言わせるとスーパーが付くほどポジティブな性格でした。母の口癖は「あーよかった」でした。どんな事があっても「あーよかった」と言っていることが多いのです。たとえ一見あまりよくないことでも、即座にその中でよいことをキャッチして、言葉に発しているのです。例えば、私が難関大学の受験に失敗してあまり偏差値の高くない大学に進学することになった際も「あなたは無理して難関大学に合格しなくてよかった。無理して入っていてもついて行けなかったかもしれない。」と言っていました。半年ぐらい前、一見ネガティブなことでもポジティブなこととしてとらえるのがとても上手だと伝えたことがあったのですが、母はそのような自覚はないようでした。無理してやっているのではなくごく当たり前のように、一般の人にはネガティブなことの中にも、ポジティブなことをみつけているのだということを知りました。