地球連邦国大統領 第一章 (設定まとめ)P010

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 今回のブログ以降しばらくは、「すべては一体」であるという考えを世界の理念にして、世界の仕組みを創るとするとどうなるかという妄想の世界のお話を繰り広げていこうと思います。

地球連邦国大統領

おめでとうございます! あなたは本日、地球連邦国大統領に選ばれました。

 地球連邦国が掲げる理念のもと、この地球連邦国を大統領のすきなように統治していきましょう。大統領はこの地球連邦国をどのような国にしていきたいですか。この地球連邦国は今までの世界とは大きく異なった構成になると考えております。現在の世の中では不可能と考えることもこの新たな地球連邦国では実現可能になるのではないでしょうか。大統領が創りたい地球連邦国は戦争のない平和な国ですか。みんなが幸せに暮らしている豊かな国ですか。貧困のない平等な国ですか。いろいろ考えるとわくわくしてきますね。大統領の夢を実現させる国創りをお願いいたします。そのために何をしたらよいか分からないと思いますので、わたしが大統領の補佐を務めさせていただきます。申し遅れましたがわたくし大統領の補佐官の覚之輔(かくのすけ)と申します。大統領の意思決定に必要な情報収集や政策への意見やアドバイスを進言させていただきます。

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【地球連邦国の目標】

 それでは、早速この地球連邦国の説明からさせていただきます。これまでの世界にあった国が寄り集まってできたものが地球連邦国であります。この地球連邦国はできたばかりでありますが、地球連邦国結成時に目的、理念、基本方針が決定しております。この地球連邦国が創られた目的は「すべての人が平和で豊かな生活を営むことができる世界を創ること」であり、過去から現在、国や地域に関係なく、これまでの普遍的な全世界の目標といっても過言ではないでしょう。また、全人類が納得する目標であると考えます。

地球連邦国目標:すべての人が平和で豊かな生活を営むことができる世界を創ること

【地球連邦国の理念】

この目標を達成するために、地球連邦国の理念と基本方針が考えられました。

 地球連邦国の目標は全人類の共通の目標ですが、これまでの歴史の中ではごく一部の地域でごく一部の期間達成されていたかもしれませんが、全人類が長期間達成できたとはいえません。ですので、従来の方法にこだわっていたのでは目標は達成できないと考えています。これまでの考え方から根本的に変えることでこの目標を達成しようと思います。そこで、これまでとは全く違うアプローチができるような理念と基本方針を掲げることにしました。新しい国を創るためのリーダーである大統領には、地球連邦国の掲げた理念と基本方針をご理解いただきます。この理念と基本方針についての考え自体は古くからありましたが、実際に実行されたことはありませんでした。そのためあまり深く考えたことがない概念です。その地球連邦国の理念とは、

理念:すべては一体

です。この理念のもと地球連邦国のルールを創っていきましょう。

◆地球連邦国大統領(設定3)P003

地球連邦国の理念は、

理念:すべては一体

です。次に地球連邦国の基本方針を決めましょう。

【地球連邦国の基本方針】

 私たちの日々の生活や活動において私たちはすべて一体だという考えで行動することであります。これまでの世界は個々の国家、個々の宗教、個々の企業、個々人という考えをもとに行動してきましたが、これからはすべては一体であるという考えのもと行動するということです。例えば、日本国は地球連邦国の一部であるということです。日本国の枠組みは残りますが、地球連邦国のシステムの中で活動するということです。企業もこれまでの企業の枠組みは残りますが地球連邦国の共通のルールに従って活動していただきます。すべては一体であるとはこのようなことを示します。この地球連邦国の理念を踏まえどのような国にするかの基本方針は、

基本方針

  • ひとが生きていくための基本的な権利を保証する
  • すべては共有の財産である

 一つ目の「基本的な権利を保証する」とはすべての人が「基本的な人権」、「最低限な生活」、「健康を守る手立て」、「適切な教育」、「受けた教育を職場で生かす機会」が保証されるということです。二つ目の「すべては共有財産である」とは地球上のすべての土地と資源は全人類の共有財産であるということです。

 この基本方針は現在の日本国憲法の三大原理である「基本的人権の尊重」、「国民主権」、「平和主義」からはずれてはいません。いやいや「基本的人権の尊重」は地球連邦国の基本方針に同じことが書かれているが、「国民主義」と「平和主義」については基本方針に記載がないではないかとご指摘を受けそうなので、あらかじめ説明しておきます。この基本方針は先に示した理念のもと地球連邦国の目標である「すべての人が平和で豊かな生活を営むことができる世界を創ること」を達成するためのものですので、平和主義の思想は入っています。残りの国民主権ですが、理念や基本方針を見る限り共産主義にみえるかもしれませんが、共産主義とは考え方が異なりますし、共産党の一党独裁ではありませんし、国民を代表する人も公正な選挙で選ばれます。ルールは国民を代表する人たちの話し合いにより決まることになります。この地球連邦国の基本方針の考えは日本国憲法の三大原理と同じであれば、なにも代り映えがないとお感じになるかもしれませんが、理念が違います。これまでは採用されたことのない理念を採用している点がこれまでとおおきく異なります。ですので、ここでは大統領に理念と基本方針に沿ったルール創りに携わっていただくことを目的としております。

 新しい世界ではこの基本方針をもとにルールを決めていきます。すべてのルールはこの基本方針に沿って作られることになります。この地球連邦国で決まっているのはここまでで、具体的なルールはまだ決まっていません。

 これから地球連邦国のルールを1から決定していく作業を行わなければなりません。そこで、この地球連邦国のルールを決めるためのリーダーとして、あなたがこの地球連邦国の大統領として任命されました。

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【理念の説明】

 それでは、地球連邦国の理念をもう少し深く見ていきましょう。ですがその前に、これまでの世の中の考え方がどうだったのかを見てみましょう。個々の人間に対するこれまでの認識はバラバラな存在であると考えることが当たり前とされています。確かに見た目において人間ひとりひとり別々の体を持ち、他の人と物理的なつながりはありませんし、他人が怪我をしても、自分は痛くありませんし、他人が死んでも自分が死ぬわけではありません。お互いにバラバラの存在であると認識して当然でしょう。このバラバラという認識は単に物理的に他の人間は自分とは違う人間であるとう考えのみにとどまりません。別の見方をすれば人間はお互いバラバラなのだから、他人に起こっていることは自分とは関係ないし、他人の痛みは自分には認識できないし、自分がどれだけ痛い思いをしても他人は全く認識しないという考えにつながっています。この考え方が進むと、自分と他人は全くバラバラであるから、自分がしたことは他人に全く影響しないという考えに発展していきます。もちろん、ここまで極端な発想は飛躍があると思いますが、中にはこのような発想を持っている人もいるのではないでしょうか。このような考えを持った人は自分さえよければ、他人のことは喜ぼうが、苦しもうが関係ないという考えになっていくと想像できます。また、自分に少しでも得になると思うことを、たとえ、他人が損をしてもしようとするでしょう。このような考えの人が多い社会はとても生きづらい世の中ではないでしょうか。もちろん、現実の世界にはこのような考えの人はごく一部で、ほとんどのひとは他人の気持ちも理解するように心がけて生活しています。しかし、現状に目を向けてみましょう。極端な考え方をしているのはごく一部の人で現状は問題ないという考えでよいのでしょうか。残念なことに世の中では戦争はなくなりませんし、世界中ではいまだに数多くの餓死者がでています。日本に目を向けても、7,8年前に比べると犯罪件数は減少傾向にありますが、いまだに殺人はなくなりませんし、暴力や虐待などが日々どこかで発生していることは事実です。もっと言えば人類が誕生してから今まで戦争や暴力をなくすことができなかったという現実があります。もちろん、戦争や暴力をなくすためにこれまでいろいろな方法を試してきましたが、試したどの方法も戦争や暴力をなくすことはできませんでした。これまで試したことのあるやり方を少し変えながら続けても、少し改善された、いまのままの現実が続くだけではないでしょうか。

 いまのままの現実を変えるには、これまでのやり方を根本的に変える必要があると思い、この地球連邦国理念を採用することにしました。それでは、新しい考えである「すべては一体である」とはどういうことでしょう。この理念は、例えば一見バラバラに見える人間は実はつながっていてすべて一体であり、個人はその一部にすぎないという考えです。見た目はバラバラなのに一体であると考えることには無理があるように思われますが、人類はお互い意思疎通ができ、朝起きて夜寝るというような生活様式、食料にすることのできるものはほとんど同じ、生殖機能も同じ、悲しい時には泣き、楽しい時には笑うというように生物として根本的なところは同じです。ですのでこれからは、これらの同じ部分に目を向けて、「すべては一体である」という考えで全世界が行動できるような社会を創りましょうと提案しています。

◆地球連邦国大統領(設定5)P005

【理念の説明】(つづき)

 それではすべては一体であるという理念がどういうことか考えてみましょう。文字ではわかっても実際どのようなことか分かりにくいので、身体に例えて説明しようと思います。例えば左手に木の枝を持って右手にナイフを持って木の枝を削っていたとしましょう。枝が削れにくかったので少し力を入れて木の枝を削った際に、誤って左足を切ってしまったとします。その時どのような行動をとるでしょうか。おそらく左手はとっさに左足の傷口をおさえるのではないでしょうか。この行動は傷ついた左足を左手がかばう行動であります。決して左足の傷口を悪化させる行動ではないはずです。この行動はこの人が右手、左手、右足、左足が自分の一部であると認識しているから怪我をした瞬間に左手は左足をかばうのであります。これが左手も左足もバラバラの存在だと考えていると、左手はとっさに傷ついた左足をかばうことをするでしょうか。左手は被害者でも加害者でもないから関わりはないと考えるのではないでしょうか。でも実際には左手は何の躊躇もなく左足の傷口をかばうはずです。これが自然な動だと思います。

 別の例を挙げてみましょう。夏に半袖半ズボンで自然の多い公園に行って全身を蚊にさされたとします。家に帰ってきてかゆみ止めの薬を塗ろうとしましたが、すべてのさされた箇所に十分に塗るには薬が足りないと思ったとします。このような時どのような行動をとるでしょうか。右手は役に立つから、まず右手に塗って残りは左手、まだ残っていたら右足、なくなったから左足には薬はなし、とはならないはずです。薬がある分を均等に分けてすべての個所に塗るのではないでしょうか。すべては一体であるかのように行動するとはこういうことです。左手が気にいらないから右手が左手をひっかくことも左足のいうことを右手が聞かないから左足が右手を踏んづけることもありません。誰かが傷ついているのであればすぐに誰かが助ける、必要な資源はすべての人で分け合うという考えがすべては一体であるという考えのもとの行動です。人間はバラバラであるという考えから生まれた、適者生存や弱肉強食という考えのもとでの行動とは異なるものになると思います。なんとなくでも理解いただけたのであれば幸いです。

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【基本方針の説明】

 理念の考え方はなんとなく理解できたが、このような考えをすぐに受け入れろと言われてもこんな考えがうまくいくはずがないと考える方も多くおられるでしょう。ご指摘のとおり、現在の世の中の考え方で構築された仕組みやシステムではでこの理念のとおりに行動するのは困難でしょう。理由は繰り返しになりますが、自分と他人はバラバラであり、世の中で幸せになるためには競争を勝ち抜かなければならないという適者生存や弱肉強食の考えで行動しているからです。この考えが世の中で気軽に安心して生活できない原因であるのではないかと考える人が増えているように感じますが、まだ、すべての人々がこのことを受け入れることは難しいと思われます。また、この考えに違和感を感じながらもみんなこの考えでずっとやってきたのだし、と自分を納得させているのではないでしょうか。ではなぜ、すべては一体だと思えないのでしょうか。この考えを受け入れることを難しくしているのは不安です。気軽にのんびり生活していると適者生存競争に負けてしまい、幸せな生活を送ることができない。敗者だと生活するのに必要なものが手に入らないのではないかという不安です。この不安は生きていくうえで必要なものは地球上に十分ではないという考えが根本にあります。全人類が食べるための食糧が不足しているから地球上で飢餓が起こる。世界中の人が飲めるほどのきれいな水がないから、非衛生的な水を飲まなければならない人がいる。資源はすべての人にいきわたるほどないので権利を持つ人が簡単に手放そうとしない。このような思いがあるため、持っている人はより多く持とうと考え、必要以上に所有物を増やします。自分が手放すことになる可能性があるものはすべて否定し、自分の所有物が少しでも減ることを恐れます。この行動が貧富の差を拡大し、持っていない人の不満が膨らみます。持っていない人の不満が大きくなると暴力や戦争に発展しても不思議ではありません。

◆地球連邦国大統領(設定7)P007

【基本方針の説明】(つづき)

 最近、不安が引き起こした人々の行動がありました。新型コロナウイルスの流行によりトイレットペーパーが足りなくなるという情報がSNSなどで拡散したことをきっかけにトイレットペーパーの買い占めが起こり一時実際にトイレットペーパーの入手が困難なことがありました。これはまさに事実とは関係なく人々の不安が入手困難を招くこととなったよい例です。トイレットペーパーの不足は事実ではありませんでした。トイレットペーパーが手に入らなくなるという不安が買い占めるという行動を起こしたのでした。

 それでは、これまで自分たちが思い込んでいる不安は事実にもとづいているのでしょうか。不必要なものを多く抱えていないでしょうか。もう一度考えなおしてみる機会なのかもしれません。

 このような不安を解消できるように地球連邦国が最低限の生活の保証する仕組みをつくりましょう。ひとびとの不安を少しでも多く解消することにより、自分だけがよければという考えが薄れていくのではないでしょうか。自分だけがよければという考えが薄れていけばすべては一体という考えに近づけるのではないかと信じています。

 すべては一体であると思えていない例として途上国での飢餓問題があります。日本では近年食品ロスの問題が取り上げられることが多くなっています。日本で発生する1日の食品ロスは世界の飢餓の人の何人分の食事でしょうか。食品ロスの問題は日本だけではありません。先進国のいたるところでこのような問題は起こっています。問題は食べ物が不足しているのではなく、飢餓の人たちに食料を届けるシステムがないということが問題なのです。世界中の廃棄されている食品を飢餓の人に分配できれば飢餓で苦しむ人が何人減るのでしょうか。清潔な水が飲めない人がいるという事実は水が不足しているのではありません。きれいな水を手に入れる(例えば井戸を掘る)、または、水をきれいにする(例えば川の水を飲み水に変える)知識や技術が地球上の隅々までいきわたっていないためです。これらの問題は世界の人口に対して食糧や水が足りないのだからどうしようもないということではないのです。この状況を変えようと思う世界中のひとびとの意思があれば、飢餓を大幅に減らすことができる量の食糧と水は地球上にあるのです。変えていかなければならないのはひとびとの意識とその意識を現実化させるためのシステムです。そのための地球連邦国の理念でありますし、基本方針であります。

◆地球連邦国大統領(設定8)P008

【基本方針の説明】(つづき)

 それではこの基本方針がどのような効果を発揮する可能性があるのかをもう少し詳しく見ていきましょう。一つ目の基本方針は「ひとが生きていくための基本的な権利を保証する」であります。この基本方針の中には「最低限な生活」を保証することも含まれています。人として最低限の生活が保障されるということは、生活するうえで必要な衣食住が保証されるということです。いいかえれば最低限の食糧と水、生活するのに充分な衣服、適切な住居の提供が保証されるということです。この最低限な生活を送る保証を得ることで不足という考えが大きく低減されます。なにしろ、生きるために苦労する必要がなくなります。この最低限の保証を得るための争いがなくなります。また、毎日、食料や水をどうやって確保していこうかという苦労をせずに人間らしい生活ができるようになります。今の日本でも格差が広がってきており、新型コロナウイルスの影響で最低限の生活を送るのにも苦労している人は多くなってきていると思われます。

 最低限の生活を保障されているので、何もしなくても最低限の生活はできますが、人はよりよい生活を手に入れたいと思うものではないでしょうか。そういう人たちのために「適切な教育」と「受けた教育を職場で生かす機会」が保証されています。生活を向上させるためには教育が不可欠であります。教育を受けることを希望する人はだれでも教育を受ける権利が保障されています。また、その後の受けた教育を発揮する職場につく機会も保証されています。教育を受けより高い知識や技術を習得すれば高い収入を得る機会も保証されており、高収入も望めるという社会になります。

◆地球連邦国大統領(設定9)P009

【基本方針の説明】(つづき)

 二つ目の基本方針は「すべては共有の財産である」です。この考えは地球上の水、空気、土地、鉱物、燃料などの天然の資源はすべて共有財産であるということです。言い換えれば個人が天然資源を所有することは認められないということです。この考えは今の世の中にはない考えであり、理解できない方もおられると思いますのでもう少し説明いたしましょう。例えば土地ですが、たまたまその土地に住んでいたからといって、住んでいる人がその土地の権利を独占することはできないという考えです。土地は個人の所有でなく全人類の共有財産になります。

 また、その土地から石油が出たからと言って、石油はその土地に住んでいる人の所有物ではなく、全人類の共有財産となります。ですので、有限の資源をめぐって争うことはなくなります。資源はすべての人のものですので、公平に分配することになるでしょう。生きるために苦労しなくてよい、資源はすべての人で公平に分配されれば、これまでの世の中にある不安の多くは解消されるのではないでしょうか。不安がなくなればこれが原因の争いや暴力がなくなるのではないかと考えます。

 理念と基本方針がどのようなものの考え方が分かったので、この理念と基本方針のもと地球連邦国のシステム創りを始めましょう。よりよい地球にするためにどのようなシステムを創ればよいでしょうか。システムは世の中で問題を起こさないようにするために創るのがよいと考えます。そのためには世の中で何が問題となっているのかを理解しておく必要があると考えます。 今後は、いまの世の中にはどのような問題があるのかを理解しておくことが重要であり、問題を理解したうえで対応策を考える必要があると思います。