地球連邦国大統領(現実問題2)P102

【紛争について】

 2019年10月時点で起こっている世界の紛争はアフガニスタン紛争、シリア内戦、クルド人とトルコ紛争、リビア内戦、イエメン内戦があり、世界の紛争は終わることがありません。紛争により、人命が奪われたり、怪我をする人が後を絶ちません。また、住むところを奪われ難民となる人が多くいます。これらの紛争の原因はさまざまですが、宗教上の差異、文化や民族性の差異、政治的信条の差異、土地の奪い合い、差別などの要因が複数絡み合っていることが問題を大きくしています。

【経済格差と貧困について】 

 世界銀行のデータ(https://www.worldbank.org/ja/news/feature/2014/01/08/open-data-poverty)によりますと、世界銀行は、2015年10月、国際貧困ラインを、1日の収入を1.90ドルと設定した場合に世界の人口の約10人に1人に相当する7憶3,400万人が貧困だとしています。一日の収入がわずか201円(本日のレート1ドル105.81円)一カ月休みなしで働いて6,031円ということになります。1カ月の収入が約6,000円というのは日本では想像できません。しかも、世界の人口の10%が1カ月約6,000円の収入しかないのです。

 一方、国際貧困支援NGO「オックスファム」の報告によりますと、「世界のトップ62人の大富豪が、全人類の下位半分、すなわち36憶人と同額(約180兆円)の資産を持っている」と記載されています。この世の中はごく少数の人に富が集中しており、10人に1人は1カ月の収入が約6,000円だという現状です。

【環境破壊について】

地球温暖化

 地球の氷期と間氷期について地球環境研究センターの阿部先生は以下(https://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/24/24-2/qa_24-2-j.html)のように述べています。

 「過去に氷期と間氷期がほぼ周期的に繰り返されてきました。この気候変動は、主として地球が受け取る太陽エネルギー量(日射量)の変動に起因すると考えられています。しかし、20世紀後半からの温暖化は、日射量変動のみでは説明できず、大気中の温室効果ガス濃度の人為的な増加が主因であることがわかっています。」

 すなわち、近年の地球の温度上昇は約10万年のサイクルで起こっている氷期のサイクルとは異なり、大気中の温室効果ガスの増加が主な原因であると述べられています。氷期と間氷期のサイクルは、地球の自転軸の傾きや地球が太陽の周りをまわる軌道が周期をもって変動することによるものですので、明らかに近年の地球温暖化の原因と異なります。

 この近年の地球温暖化の影響は地球の各地で起こっています。独立行政法人環境再生保全機構の「温暖化による影響」(https://www.erca.go.jp/erca/ondanka/stop/pdf/on02.pdf)では温暖化の影響は多岐にわたり、自然生態系への影響、異常気象、農業生産、水資源、海洋・沿岸域、健康などへの影響が予測されると記載されています。顕在化した温暖化の影響として氷河の縮小、永久凍土の融解、河川や湖の結氷の遅れや早い解氷、一部生態系の変化が挙げられています。また、森林火災の発生、異常高温、洪水被害がすでに起こっていると記載されています。2019年におきたオーストラリアの森林火災は過去に例のない規模と激しさでした。オーストラリアでは国内森林の1%程度を焼失する程度の森林火災は毎年のように発生していますが、今回の森林火災は国内の約21%もの森林が焼失したといわれています。この焼失した面積はポルトガルの国土より広い面積です。2020年7月に北極圏のシベリアで38℃という異常高温を記録しました。この温度は8万年に1度の事態だそうです。

 日本でも近年は毎年のように河川の氾濫による水害が多発しています。ひと昔前では河川の洪水対策が不十分であったために、洪水が起こっていたと考えますが、土木技術の進歩や計画的な護岸工事を行ったおかげで、平成以降は河川の氾濫回数はほとんどなくなっていました。しかし、最近は同じ場所で豪雨が降り続く線状降水帯が頻繁に発生し、河川が氾濫する事例が数多くみられるようになっています。ニュースでは50年に1度の〇〇などの表現をよく聞くようになったと思います。また、台風の威力も拡大しているように感じます。以前は台風で車やトラックが飛ばされることは滅多になかったように思いますが、最近では映像で見ることが多くなったと感じます。

 これらの災害はたまたま、近年重なっただけでしょうか。地球規模での温暖化の影響だと考える方が普通ではないでしょうか。近年の地球温暖化の原因は人為的な温室効果ガスの排出ですから、原因は人間にあるといえます。