地球連邦国大統領 第二章 (現実問題まとめ)P105

◆地球連邦国大統領(現実問題1)P101

現実問題について

新しい国をつくっていくうえで、これまでの世の中の問題を探り、同じ過ちを繰り返さないようなシステムを構築する必要があると考えます。どのようなシステムにするかを考えるにあたり、まずはこれまでの世の中についてどのような問題があるかを観察し、これらの問題が解決できるようなシステムを構築してはどうでしょうか。これまでの世の中にどんな問題があったのかを知らないで解決策を考えれば、間違った解決策になってしまうでしょう。これまでの社会での問題について覚之輔がいろいろ調査してきましたのでその調査内容についてみていきたいと思います。それでは、世界でどのような問題があるか調査内容をみてみましょう。

【飢餓について】

日本ユニセフ協会のHPによりますと、飢えに苦しむ人の数は2019年に約6憶9,000万人にのぼり5年間で6,000人近く増加したと推定しています。世界の人口は約77憶人ですので、世界の人口の約9%の人が飢餓状態にあるという実情です。2020年7月の日本の人口は約1憶2600万人ですので、日本の人口の約5.5倍の人が飢えに苦しんでいることになります。また、国連世界職労計画のデイビット・ビーズリー業務執行取締役は5秒に1人の子供が餓死していると述べています。

ユニセフ(国連児童基金)とWHO(世界保健機関)は2017年7月に水と衛生に関する新たな報告書を発表しました。報告したHP(https://www.unicef.or.jp/news/2019/0093.html)では「2000年以降、18億人が基本的飲み水の提供を受けられるようになったとしていますが、こうしたサービスの有無、アクセス、そして質には大きな格差があると指摘しています。10人に1人にあたる7億8,500万人が基本的なサービスを受けられません。その中には処理されていない地表水を飲む1億4,400万人が含まれます。データによれば、村落部に暮らす10人に8人が基本的サービスを受けられず、所得分布別の推計がある国々の4カ国中1カ国では、最も裕福な層が基本サービスの供給を受けている率は、最も貧しい層の2倍にあたります。」と記載されています。今の日本に暮らしている我々では想像できない現実が今もなお存在するということがわかります。日本の人口より多い人が地表水を飲んでいるという事実があります。

問題は飲み水だけではありません。衛生面でも次のように報告されています。「2000年以降に、あらたに21億人が基本的衛生施設(トイレ)を使用できるようになったものの、世界の多くの地域で汚水が安全に管理されていないと指摘しています。また、依然として20億人が基本的な衛生施設(トイレ)を利用できず、その10人に7人が村落部に暮らし、3分の1が後発開発途上国(LDC)に住んでいます。」また、「報告書は最後に、2017年に家に水と石けんを備えた基本的手洗い所がない人が30億人いるという新しいデータを示しています。これは、後発開発途上国の人々の4分の3近くが、基本的手洗い所を持っていないことも示しています。毎年、29万7,000人の5歳未満児が不適切な水と衛生に関連する下痢症で命を落としています。」と述べています。

◆地球連邦国大統領(現実問題2)P102

【紛争について】

2019年10月時点で起こっている世界の紛争はアフガニスタン紛争、シリア内戦、クルド人とトルコ紛争、リビア内戦、イエメン内戦があり、世界の紛争は終わることがありません。紛争により、人命が奪われたり、怪我をする人が後を絶ちません。また、住むところを奪われ難民となる人が多くいます。これらの紛争の原因はさまざまですが、宗教上の差異、文化や民族性の差異、政治的信条の差異、土地の奪い合い、差別などの要因が複数絡み合っていることが問題を大きくしています。

【経済格差と貧困について】 

世界銀行のデータ(https://www.worldbank.org/ja/news/feature/2014/01/08/open-data-poverty)によりますと、世界銀行は、2015年10月、国際貧困ラインを、1日の収入を1.90ドルと設定した場合に世界の人口の約10人に1人に相当する7憶3,400万人が貧困だとしています。一日の収入がわずか201円(本日のレート1ドル105.81円)一カ月休みなしで働いて6,031円ということになります。1カ月の収入が約6,000円というのは日本では想像できません。しかも、世界の人口の10%が1カ月約6,000円の収入しかないのです。

一方、国際貧困支援NGO「オックスファム」の報告によりますと、「世界のトップ62人の大富豪が、全人類の下位半分、すなわち36憶人と同額(約180兆円)の資産を持っている」と記載されています。この世の中はごく少数の人に富が集中しており、10人に1人は1カ月の収入が約6,000円だという現状です。

【環境破壊について】

地球温暖化

地球の氷期と間氷期について地球環境研究センターの阿部先生は以下(https://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/24/24-2/qa_24-2-j.html)のように述べています。

「過去に氷期と間氷期がほぼ周期的に繰り返されてきました。この気候変動は、主として地球が受け取る太陽エネルギー量(日射量)の変動に起因すると考えられています。しかし、20世紀後半からの温暖化は、日射量変動のみでは説明できず、大気中の温室効果ガス濃度の人為的な増加が主因であることがわかっています。」

すなわち、近年の地球の温度上昇は約10万年のサイクルで起こっている氷期のサイクルとは異なり、大気中の温室効果ガスの増加が主な原因であると述べられています。氷期と間氷期のサイクルは、地球の自転軸の傾きや地球が太陽の周りをまわる軌道が周期をもって変動することによるものですので、明らかに近年の地球温暖化の原因と異なります。

この近年の地球温暖化の影響は地球の各地で起こっています。独立行政法人環境再生保全機構の「温暖化による影響」(https://www.erca.go.jp/erca/ondanka/stop/pdf/on02.pdf)では温暖化の影響は多岐にわたり、自然生態系への影響、異常気象、農業生産、水資源、海洋・沿岸域、健康などへの影響が予測されると記載されています。顕在化した温暖化の影響として氷河の縮小、永久凍土の融解、河川や湖の結氷の遅れや早い解氷、一部生態系の変化が挙げられています。また、森林火災の発生、異常高温、洪水被害がすでに起こっていると記載されています。2019年におきたオーストラリアの森林火災は過去に例のない規模と激しさでした。オーストラリアでは国内森林の1%程度を焼失する程度の森林火災は毎年のように発生していますが、今回の森林火災は国内の約21%もの森林が焼失したといわれています。この焼失した面積はポルトガルの国土より広い面積です。2020年7月に北極圏のシベリアで38℃という異常高温を記録しました。この温度は8万年に1度の事態だそうです。

日本でも近年は毎年のように河川の氾濫による水害が多発しています。ひと昔前では河川の洪水対策が不十分であったために、洪水が起こっていたと考えますが、土木技術の進歩や計画的な護岸工事を行ったおかげで、平成以降は河川の氾濫回数はほとんどなくなっていました。しかし、最近は同じ場所で豪雨が降り続く線状降水帯が頻繁に発生し、河川が氾濫する事例が数多くみられるようになっています。ニュースでは50年に1度の〇〇などの表現をよく聞くようになったと思います。また、台風の威力も拡大しているように感じます。以前は台風で車やトラックが飛ばされることは滅多になかったように思いますが、最近では映像で見ることが多くなったと感じます。

これらの災害はたまたま、近年重なっただけでしょうか。地球規模での温暖化の影響だと考える方が普通ではないでしょうか。近年の地球温暖化の原因は人為的な温室効果ガスの排出ですから、原因は人間にあるといえます。

◆地球連邦国大統領(現実問題3)P103

プラスチックごみ問題

近年、海に大量に流入するプラスチックが環境を悪化させる原因となっており、世界的な問題となっています。WWFジャパンのHP(https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3776.html)には以下のような記載があります。「洋服から自動車、建設資材に至るまで、私たちの生活のあらゆる場面で利用されているといっても過言ではないプラスチック。手軽で耐久性に富み、安価に生産できることから、製品そのものだけでなく、ビニールや発泡スチロールなどの包装や梱包、緩衝材、ケースなどにも幅広く使われています。しかし、プラスチックの多くは「使い捨て」されており、利用後、きちんと処理されず、環境中に流出してしまうことも少なくありません。手軽に使える分、手軽に捨てられてしまう、そうした面もあるといえます。そして環境中に流出した一部のプラスチックが最終的に行きつく場所が「海」です。プラスチックごみは、河川をとおって海へと流れ込むためです。」

このように大量に使用されているプラスチックの一部は故意か故意でないかにかかわらず、環境に流出し海へ蓄積していきます。ほとんどのプラスチックは容易には自然分解されず、海に残り続けます。

WWFジャパンのHPには日本のプラスチック生産とその利用についても以下のように記載されています。

「日本はプラスチックの生産量で世界第3位。特に1人当たりの容器包装プラスチックごみの発生量については、世界第2位と、この問題に国際的な責任を持たなければならない立場にあります。実際コンビニの普及もあり、国内で年間に流通するレジ袋の枚数は、推定400億枚で、一人当たり一日約一枚のペースで消費されています。また、ペットボトルの国内年間出荷は227億本に達します。日本では廃棄されるプラスチック(廃プラ)の有効利用率が84%と特に進んでいるとされていますが、全体の58%は、燃焼の際にエネルギー回収をするものの燃やす「サーマルリサイクル」という処理方法に頼っています。これはつまり、化石燃料を燃やし、温暖化ガスの一種である二酸化炭素を排出しているということですので、今後ますます深刻化する地球温暖化への対策まで含めた視点で見たときに、とても資源が有効かつ持続可能な方法で利用されているとは言えません。」

このように、プラスチックの有効利用率84%の内57.5%は焼却した熱を利用するもので、温暖化ガスの一種である二酸化炭素を排出しています。すなわち先に述べた地球温暖化の原因に繋がっています。

◆地球連邦国大統領(現実問題4)P104

【犯罪について】

まずは日本国内の情報から見てみましょう。法務省法務総合研究所が公表している令和元年年版 犯罪白書によると「8年から14年(237万7,488件)まで戦後最多を記録し続けたが,15年から減少に転じ,26年以降,毎年戦後最少を更新し,30年は58万2,141件(前年比7万3,357件(11.2%)減)でありました。30年の認知件数は,元年(148万3,590件)の約5分の2,戦後最多であった14年の約4分の1の水準である。」との記載があり日本の犯罪は平成15年以降減少傾向にあります。

窃盗

「窃盗は,認知件数において刑法犯の7割を超える。平成の初期はおおむね横ばい状態にあったが,平成10年から14年(33万8,294件)にかけて約10万件増加した後,15年からは減少し続けており,30年(6万2,745件)は,14年の5分の1以下となった」と犯罪白書に記載されています。日本での窃盗は平成15年からは減少しているようです。

性犯罪

「8年まではおおむね横ばい状態にあったところ,9年から増加傾向を示し,15年に2,472件を記録した後,おおむね減少傾向にあったが,24年・25年にやや増加するとともに,29年から増加し,30年は1,307件(前年比198件(17.9%)増。」との記載があり、平成15年以降減少にあるもののここ数年は増加傾向にあるようです。

殺人

「殺人の認知件数は,平成期前半はおおむね1,200件台から1,300件台で推移し,平成15年及び16年に1,400件台を上回ったが,16年から28年までは減少傾向にあり,28年に戦後最少の895件を記録した。その後はおおむね横ばいで推移し,30年は915件(前年比5件(0.5%)減)であった。」との記載がありこちらも性犯罪同様の推移といえます。

強盗

「強盗の認知件数は,平成元年の1,586件から毎年増加し,7年に一時的に減少したものの,再び8年から増加し続け,15年に昭和26年以降で最多の7,664件を記録した後,平成16年から減少傾向にあり,30年は1,787件(前年比65件(3.5%)減)であった。」と記載されており減少傾向が続いています。

傷害・暴行・脅迫

「傷害,暴行及び脅迫の認知件数は,平成期において,いずれも平成元年以降11年までおおむね横ばいであったところ,12年に急増した。傷害の認知件数は,15年(3万6,568件)まで増加していたが,20年以降は2万件台で推移しており,30年は2万2,523件(前年比763件(3.3%)減)であった。」平成12年以降大きく増加する傾向にありましたが、ここ数年は減少傾向にあるようです。

詐欺

「詐欺の認知件数は,平成期において,平成元年以降13年まで横ばいないし減少傾向にあったが,14年から増加に転じ,17年に昭和35年以降で最多の8万5,596件を記録した。その後,平成18年から減少に転じ,24年からは増加傾向を示していたが,30年は前年より減少し,3万8,513件(前年比4,058件(9.5%)減)であった。」と記載があり、ここ数年はほぼ横ばいのようです。

児童虐待

「検挙件数及び検挙人員は,20年前後には緩やかな増加傾向が見られていたが,26年から5年連続で大きく増加し,30年は1,380件,1,419人であり,それぞれ15年(212件,242人)の約6.5倍,約5.9倍であった。罪名別では,特に,暴行が顕著に増加している。」最近のニュースで取り上げられる機会が多くなっていますが、検挙件数も平成26年以降大幅に増加しているようです。

世界の犯罪

世界の犯罪発生はどのようになっているでしょうか。情報のある先進国の状況を見てみましょう。アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスの2000年から2016年の17年間の犯罪発生率の調査では強盗発生率は各国で低下してきています。窃盗もフランスを除くアメリカ、ドイツ、イギリスで低下してきています。しかし、性犯罪の発生率はアメリカ、フランス、イギリスでは逆に増加してきているようです。先進国の性犯罪以外の犯罪の発生件数は日本同様、減少傾向にあるようです。

しかし、殺人による犠牲者の数は、先進国よりも途上国が 2 倍以上高くなっています。特に中南米では、大幅に多くなっています。これだけインターネットが発達した世の中でも途上国の情報が日本まであまり届いていないような気がします。このような点も改善すべきところではないでしょうか。

だいぶ世の中の現状がわかってきたと思います。この現状をよりよくしていくために、あたらしい住みよい未来の国を大統領と作っていきましょう。次回のブログからはいよいよ大統領と新しい世の中のルールをつくっていきましょう。