地球連邦国大統領 第三章 (統治と問題解決策まとめ)P205

◆地球連邦国大統領(統治と問題解決策1)P201

 これまでは、世界中の問題についてみてきましたが、いよいよここからが大統領にご決断をしていただく事柄となります。この地球連邦国は結成したばかりでありますから、現時点では大統領がすべての権限を持っていますので、自由に国を創ることができます。地球連邦国の統治の仕組みができた際には、権限の大幅な縮小をお願いいたします。このまま権力を持ち続けると独裁者になってしまいますので、ご理解いただきますようお願いい申し上げます。これまでの世界中の全権力が一時的ではあれ大統領に移っているので不満を持つ国も多くあるでしょう。とりわけこれまで大国といわれて自分の思うように世界を動かしてきたと思っている国や人々は不満を持っているのではないでしょうか。その人たちには個々の国が別々で存在するよりも一つにまとまればデメリットよりメリットの方が多いのだということを粘り強く説得していくことが必要と考えます。粘り強く説得していくことでよろしいでしょうか。・・・承知いたしました。それでは、不満を示している昔の大国に対して粘り強く地球連邦国の考え方を伝えて、理解していただくよう務めることが大統領の強いご意向であると交渉担当者に伝えて大国の説得を継続していきます。

【連邦裁判所】

 もし、現在行っている大国の説得がうまくいかず国際紛争に発展した場合に対して、問題を解決する場である連邦国裁判所の設置が必要と考えます。もちろん連邦国裁判所は公平な立場を維持するため独立した立場にいたしますがいかがでしょう。・・・承知いたしました。ここは、あまり判断に迷うところではないですね。また、大統領は行政府の長として行政を指揮していただくという任務は今後も残りますので、その点はよろしくお願いいたします。もし、今後お考えが変わった場合にはお申し付けください。

【平和維持軍】

 この他にも連邦国が決定したことを守らせるためには平和維持軍が必要と考えます。平和維持軍の発足にともない、各国の軍隊は解散することになります。ここもあまり異存がないと思われますがいかがでしょう。・・・承知いたしました。この方向で進めます。各国の軍隊が解散するのでこれまで過剰だった莫大な軍事費が大幅削減できるようになります。この資金を社会保障や途上国のインフラ整備に回したいと思います。

◆地球連邦国大統領(統治と問題解決策2)P202

【議会】

 次に、今後の地球連邦国のルールを決める議会の設立を考えていかなければなりません。日本の国会に相当する立法府の設立が必要と考えます。やはり日本やG7のすべての国で採用している二院制度がよいと考えます。メリットとしては国民の意見を拾いやすくなりますし、一つの議会が決めたことをもう一方の議会がさらに検討することにより、行き過ぎを抑制し不足を補うなど慎重に決断することができます。デメリットとしては決定に時間がかかることです。いかがいたしましょう。二院制を採択することでよろしいでしょうか。・・・承知いたしました。法律を創る機関は二院制を採用することで進めます。

 では、立法府の二院制は決まりましたが、各議会のメンバーの決め方はいかがいたしましょう。日本の場合はご存じかと思いますが、衆議院と参議院の二院制でして、衆議院は小選挙区制で約2/3の議員と比例代表制で約1/3の議員が選挙で選ばれます。小選挙区は国勢調査における人口の割合で選挙区が決められ1つの選挙区から1人の議員が選出されます。比例代表制は政治グループに投票し、投票数に応じて議員数が割り振られます。参議院は都道府県の選挙区(鳥取・島根と高知・徳島は1選挙区)で約6割、比例代表制で約4割の議員が選挙で選ばれます。選挙区制は人口に比例して当選人数が決まっています。比例代表制衆議院の比例代表制と同じ選挙制度です。日本の選挙区制度では人口に合わせた選挙区の割り振りになっており、人口が多いところでは議員の数も多く、人数の少ない地域の人は議員の数は少なくなるというシステムになっています。

 アメリカでも二院制をとっていて、日本のシステムとは少し違います。アメリカ合衆国の議会は上院と下院に分かれていて両院とのほぼ同じ権力を持っています。下院は国勢調査のデータをもとに人口によって各州の議席数が振り分けられます。上院は各州2人ずつ選出され小さい州が大きい州と同じ影響力を持つことになります。

 わたしとしては少数派の意見が届きやすいアメリカ合衆国の選挙制度がよいと考えます。大統領はどちらの選挙制度を選択なされますか。もちろんここに提示した選挙制度以外の選挙制度も選ぶことができます。ご判断をお願いいたします。・・・承知いたしました。ご意向に沿って進めます。

◆地球連邦国大統領(統治と問題解決策3)P203

【地球連邦国の保証】

 さて、地球連邦国の立法、行政、司法の大枠は決定できました。引き続き地球連邦国の要である保証の具体策について考えていきましょう。基本方針の1つ目は「ひとが生きていくための基本的な権利を保証する」でしたね。この方針をより細分化すると、すべての人が「基本的な人権」、「最低限な生活」、「健康を守る手立て」、「適切な教育」、「受けた教育を職場で生かす機会」が保証されるということです。思い出していただけたでしょうか。それでは1つ目の基本方針の細分化した保証についてみていきましょう。

基本的人権の保証

 これは日本国憲法にもあるように、すべてのひとは平等であり人種、信条、性別、社会的身分により政治的、経済的又は社会的関係において差別されないということを地球連邦国として保証するということです。これはこれまでと同じ考え方ですので、理解することは容易だと考えます。

最低限な生活の保証

 これはすべてのひとは生活するのに必要な最低限の食糧、水、衣料、住居は保証されているということです。これによりすべての人類は生きていくうえで最低限の尊厳を持って生活できることを保障するものであります。先進国では当たり前のように感じますが、世界中すべての人が対象ですので、至急大掛かりな対策が必要となります。

健康を守る手立ての保証

 日本では医療保険制度が発達しており、収入に応じて医療費の負担額は違いますが多くても医療費の3割しか負担しなくて済むシステムです。日本では当たり前のシステムですがアメリカ合衆国ではこのような医療保険制度は民間のものしかなく、無保険者が数千万人いるともいわれており、無保険者の方が病院にかかると巨額な費用を支払うことになります。地球連邦国では日本のような医療保険システム導入しようと考えますがいかがでしょうか。

適切な教育の保証

 すべてのひとが希望する教育を受けられるシステムを構築することを考えています。子供たちへの教育は地球の未来を創るうえでとても重要な要素であります。「すべての人が平和で豊かな生活を営むことができる世界を創る」という地球連邦国の目標および「すべては一体である」という理念を実現するためにどのような教育を行うことが実際に役に立ち、どのようなことが実際に役に立たないかを子供たち自ら考えられるようにすることが教育の目的といたします。

 また、この教育からえられた智恵と知識を有効に発揮できる職場につく機会が与えられます。これにより最低限の生活からさらに良い生活を望む人の希望がかなえられるようになると考えています。

◆地球連邦国大統領(統治と問題解決策4)P204

【地球連邦国歳入】

 地球連邦国の歳入についてはすべての国民から一律10%の税金を徴収します。これだけの保証をするのに10%の徴収だけで成り立つわけがないと思われるかもしれません。しかし、先ほど平和維持軍のところでご説明させていただいたとおり、これまでの各国の軍隊は解散することとなり、代わりに平和維持軍が新設されますが、平和維持軍にかかる費用はこれまでの各国軍事費の総額よりはるかに低い費用で維持されることになります。2019年の世界各国の軍事費の合計は1兆9000億ドル(約204兆円)ですのでGDP世界3位の日本の国家予算の約2倍のお金が社会保障にあてることができます。さらには、この地球連邦国の保証により人類の争いはかなりの数減少することになり、争いでの損失がなくなり、争いを解決するための費用を減らすことができます。さらには争いに使用していた労力を世の中の役に立つことに還元できるので税収も上がると考えられます。しかし、軍事産業がなくなりますのでその分の歳入は減ることになります。平和を目標としておりますので、平和を達成するときには軍事産業は必要ありませんので、この技術を平和に応用していただきましょう。これまで軍事に使用してきた技術を平和利用に応用すると、軍事秘密で世の中に公開されなかった技術が使えるようになり、かなり高い技術が一般的に利用できるようになります。また、新経済システムの章で説明する新しい経済のシステムを導入すれば、脱税ができなくなりこれまでより税収は確実にあがるでしょう。

 とりあえず税収は全人類から一律10%徴収するということで進めてもよろしいでしょうか。もし、実施してみて不都合があれば国民の代表が集まった議会で修正すればよいのですから。・・・承知いたしました。この方向で進めます。

【土地と資源】

 土地と資源についてはこれまで通りの保有を認めると、持っている者と持っていないもので差が出ますので、すべての土地と資源は全人類のものということにいたします。そうなれば、地下や空中を含む土地での開発時に誰の所有の土地かを気にせず開発を行うことができるようになりますし、たまたま資源のある土地に住んでいたからと言ってその資源を住んでいる人たちで独り占めすることができなくなります。地球上のあらゆる資源はすべての国民のものであり、必要な人に必要な時に分配されるようになるでしょう。この考えで進めてよろしいでしょうか。・・・承知いたしました。多くの土地を所有していた人や豊富な資源がある土地を所有していた人に不満が残らないように、このシステムの方が人類にとってメリットが多いということを粘り強く説明してまいります。

 ここまで、いろいろ決めてきましたがこの決定がどのような効果を上げるかの推測を次回以降で考えていきましょう。

注:本ブログの内容はあくまでも覚之輔の個人的考えでありますので、ご了承ください。