地球連邦国大統領(対策の予想効果5)P305

【環境破壊について】つづき

 ではなぜ、この二酸化炭素の濃度が急上昇したのでしょうか。原因は石油、石炭、天然ガスを人類が使用したことが原因であるといわれています。石油、石炭、天然ガスはもともと地球の地下に眠っていた物質でありますから、大気中の二酸化炭素の濃度に何も影響しませんでした。産業革命が起こり。石油、石炭、天然ガスを利用すると、利用したぶん二酸化炭素が生成されます。これまで地中にあったものが利用されて二酸化炭素に形を変え大気中に蓄積しているのです。ですので、石油、石炭、天然ガスを使用し続けると大気中に二酸化炭素が蓄積され続けます。それを食い止めようとする世界的な動きがパリ協定です。パリ協定の目的は1997年に定まった「京都議定書」の後を継ぎ、国際社会全体で温暖化対策を進めていくためので、世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して、1.5℃に抑える努力をすることです。

 ふたたび、海洋プラスチック問題に目を向けてみますと、プラスチックは手軽で耐久性があり安価に生産できるため、プラスチックの多くは使い捨てされています。リサイクルされているとは言え、一部が自然環境に流出し、最終的に海に流れ着いて分解されることなく、徐々に細かくなりながら海に蓄積し続けることです。日本では84%がリサイクルされているといいますが、そのうちの57.5%はサーマルリサイクルすなわち焼却処分です。この焼却処分は二酸化炭素を大気中に排出することとなり、地球温暖化問題の原因となっています。一見、違う問題のように見えますが温暖化問題と海洋プラスチック問題は繋がっている部分もあるのです。

 この2つの問題の解決策は石油、石炭、天然ガスの使用量を減らすことです。今の生活に慣れてしまっている我々にとって大きな問題といえます。石油および石油から生産されるプラスチック製品、石炭、天然ガスの使用量削減となると、経済と密接な関係となりますので次の新経済システムの章で経済とあわせて解決策を考えていきましょう。